今日は「塩問題」を
紹介します。
テレビを見ていたべラが
突然、「塩を買いに行く」
と立ち上がったので
「どうしたの?」
「精製された安い塩は
体にものすごく悪いって。
天然の塩を買ってきます」
と、さっそく自転車で
出かけて行った。
さて、そうして「5ユーロ」も払って買ってきた天然塩が、こちら。
貧乏生活なのに「塩に5ユーロ使う」というところが、べラなのだ。
10年くらい前、のみの市で買った「モルテーロ(つぶす鉢)」で
せっせと塩を細かくする。
「味見しましょう」
一口なめて、びっくり。まろやか。塩っぽいが、辛くない。
「塩って、こういう味だったんだー」
と、思わぬ発見。
「とみ子さんに、伝えましょう!」
べラは、私の書きつけた日本語訳を手に、国際電話で必死に
「しお、買ってください」
と訴えた。両親は驚きながらも、ちゃんと天然塩を買いに行った。
「しお、買いましたか?」
一週間後、国際電話でしっかりと確認をする。この辺が、べラなのだ。
「はいはい、買ってきましたよ、べラちゃん」
べラの性格をつかんできた両親は
「一番高い天然塩を購入してきましたよ」
と答え、べラを満足させていた。
「これで、健康になります」
毎日きゅっきゅっと、鉢で塩をつぶすべラの横顔を見ながら
ここまでして食べる塩って、なんだかとてつもなく貴重品に思えてきた。