スペインはここ1、2年というもの
「汚職」のスキャンダラスを聞かない日が、ない。
文字通り、毎日ニュースで聞かされるので
国民はうんざりさせられている。
それも、26%の失業率で。
私たち南スペインは、もっと高い。
一番失業率が低いのが
バルセロナやバスクじゃないかな。
というわけで、マドリッドが独立を許すはずがない。
バルセロナやバスクはお金が入って来る窓口
スペインのサイフのようなものなんだから(笑)
私たちもそうであるが
現在、スペインの家庭の多くは
「何かを切り詰める」生活を
強いられている。
なんといっても、家賃や光熱費の支払いが
第一優先されるので
「文化・交際費」「生活雑貨購入費」「通信費」
などがカットされる。
それでもダメ、ならついには
「食費」が削られる。
最初は「質」を落とす。
それが、ついには「量」を落とすことになると
栄養不足が起こる。
先日、スペインの子供たちの10%
つまり「10人に一人は栄養不足」という
ショッキングなニュースが報道されたばかり。
牛乳が週1本しか買えないので
「水で薄めて、量を増やして飲ませています」
と言う母親の表情が、忘れられない。
そういう彼女は、一日一食であると言う。
「コメドール(食堂)で・・・食べさせてもらっています」
スペインにはNGO主催の
「コメドール(食堂)」が、存在する。
それに100%依存しなければ
生きていけない人たちが何万人、といる。
そういう対処を本来は政府がやるべきなのだが
PP党は、自分たちの懐具合と選挙活動に忙しく
それどころではない、のらしい。
この選挙のことはまた改めて書くとして
今日は、スペインの驚くべき
「罰金」について、書きたい。
こんな不況を乗り切る策として
PP党が打ち出したのが「罰金」である。
そう、国民を救うのでなく
自分たちを救おう、という政策。
スピード違反、駐禁はもちろん
毎日、すごい勢いで「罰金」を科していく。
その一環として、政府はまず国中に
「スピード計測器」を、設置した。
こんなことにお金を使うくらいなら
「コメドール(食堂)」を国中に設置したら
どうなのか。ねぇ。
そのスピード計測器がまた、くせ者。
わざわざスピードの出る下り坂に、置く。
アクセル踏まなくたって、スピード出るって。
で、みんな仕方なく、ブレーキを必死で踏む。
また、見通しのいい3車線の道路にも
先日、新しく設置されていた。
これはもう「政府の集金」以外の
なにものでもない。
スピード計測器の横に置かれた看板には
「POR SU SEGURIDAD(あなたの安全のために)」
と書かれている。が、それを見るたび
「POR SU BOLSILLO(あなたのポケットのために)」
と書き直したい衝動にかられる。
先週、ピアノ教室に来る子供のお母さんが
「音楽学校に娘を連れて降りた
その5分の間に・・・罰金やられました」
と、震えながら怒っていた。
スペインには、駐車場が非常に少ない。
罰金をここまで厳しくするなら
それに合わせて「駐車場の設置」も行われるべき。
こっちの方は、ほったらかしで
罰金だけどんどん厳しくするのは
どんなものか。
そんな中、テレビの深夜番組で
度胆を抜かれるような特集をやっていた。
「政府は一日に百万ユーロの罰金収入を得ている!」
これを取材したフリーのレポーターが
政治家、右翼の新聞社などを相手に
火を噴くようなディーベートを行っていた。
罰金収入が、一日百万ユーロ?
すごい収入。
額もだが、方法が。
国民から吸い上げてどうする。
不況&失業であえいでいるのは
その国民なのだ。
裕福層、支配層をさらに豊かにしてどうする。
実際、PP党を支持し、投票するのは
スペインの裕福層、支配層である。
元貴族、資本家、企業家、政治家、官僚・・・
そんな中、行われた
5月24日の「スペイン統一地方選挙」。
これは、スペインが動いた日でもありました。
11月の総選挙へつながる大切な第一歩。
これについてはまた後日、改めて書きたい。